空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
今回ご紹介する物件は、全てを解体する「フルスケルトン」にしてからのリノベーション。3LDKから、広々1LDKに土間とWICを加えた贅沢な間取りになりました。

一つひとつ細かな部分までこだわり抜いた家づくりは、参考になることばかりです。間取りやデザインの決め方、オシャレになるテクニックについて伺ってきました。

家づくりのこだわりポイント

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
どのようにして間取りを考えましたか?
 
「広いリビング、土間とWICを造ることは絶対で、これを主軸に各箇所のディテールを決めていきました。特にリビングは、寝室が狭くなってもいいので広さを重視しました」
 
お好みのテイストがあったのですか?
 
「特に『このテイストで』というのはなかったです。色と素材から決めていきました。色は白と黒を基調にシルバーを入れて、素材はウッド。これでまとめたいなと。強いて言うなら、少し西海岸的な雰囲気にしようと思いました」
 
とてもステキなLDKですけれど、どういったところをこだわりましたか?
 
「たくさんあるのですが、LDKでいうとリビングは広くて躯体現し。天井高も2400mmは譲れませんでした。キッチンはゆったり料理ができて、料理しながら会話できる空間にしたかったんです。リビングとキッチンを分けずに同じ時間を共有できる空間にしたくて、キッチンがリビングに溶け込むような空間づくりをしました。これをベースに、キッチンからLDを考えていきました」
 
躯体現しによって、天井高は2450mmと標準よりも高くなりました。壁は躯体に漆喰風のクロスを貼り付けて、床はヘリンボーンの無垢材を使用しています。床もご主人のこだわりの一つ。玄関からリビングまで一続きに同じ床材を使うと、どこまでも続くような広さを演出できます。

室内窓でスタイリッシュ&開放感ある空間に

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
リビングと寝室の壁には室内窓を取り付けています。室内窓はリノベーションで注目のアイテム。部屋のアクセントになるのはもちろん、隣の部屋が見えて抜け感が出ます。また、隣の部屋から明るさを取り入れられるのも室内窓のメリット。デザイン性と機能性を兼ね備えたアイテムです。こちらの室内窓もこだわりが詰まった一つです。
 
最初から室内窓も希望されていましたか?
 
「室内窓も絶対入れたかった物の一つです。デザイン的にいいなと思って付けたけど、空間全体に開放感が生まれたし、リビングの光も入るから機能的にも良かったなと。フレームの細さにもこだわりました。既製品だと太いフレームだったので、最終的にオーダーすることに。とはいえ、アイアンのフルオーダーだとそこそこ高い金額になるので、デザイナーさんとアイディア出しを重ねた結果、木なら理想の細さにもなるしコストが抑えられるので、木にマットブラックの塗装を施すことにしました」

実用性とデザイン性を兼ねたアイランドキッチン

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
キッチンはリビングと一体化した空間にしました。それぞれが違うことをしていてもすぐに会話でき、同じ時間を共有したいという想いからこの形になりました。

キッチンは背面の壁に棚板と作業台を設置してオープン収納に。背面に収納と家電をまとめると移動が短くなり、前後の動きで作業ができるので効率が上がります。何がどこにあるのか一目瞭然であることに加え、見えるがゆえに自然とキレイに置くように意識するのがオープン収納の魅力。ディスプレイ感覚で置けるので、整理整頓も楽しくなりますね。
 
最初からオープン収納で考えていましたか?
 
「キッチンのデザインに合う収納を造ったという感じです。このキッチンにするなら上には何も置きたくなかったので、背面に収納を造りました。収納は同素材のステンレスにしてクローズタイプにしようかとも考えましたが、そうなると“ステンレスの塊”って感じで、無機質すぎるかなと。それを緩和するために有機的な要素が欲しいと思って、木を取り入れてオープン収納にしました」
 
収納を背面にまとめたことで、オールステンレスのアイランドキッチンが際立っていますね。

レシピ選びに最適なベンチコーナー

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
キッチンの出窓にはベンチを造りました。このベンチにもこだわりが詰まっています。
 
こちらのベンチはどんな経緯で生まれたのですか?
 
「この出窓が中途半端なサイズで用途もわからなかったんです。そのまま残すのは嫌だったので、意味合いを出したいなと。それならキッチンに近いからレシピを読んだり、読書や日向ぼっこができるスペースにしようと思ってベンチを造ることにしました。となると、壁から飛び出てデッドスペースが生まれるので、それを活かして収納スペースにしようと。大切な資料や公共料金などをすぐに取り出せる収納が欲しかったので、ちょうどよかったです。愛用している収納ボックスがキレイに収まるように、1cm単位で調整してもらいました」
 
見た目にもこだわったそうですね。
 
「ベンチ・壁面の棚板・洗面台の棚板は全部、積層を揃えました。この積層感が好きで、棚板は全部統一しようと思って揃えました」

ディテールに加えて、収納下はあえてオープンに。こうすると抜け感が生まれてすっきりした印象になります。
 

趣味道具を“魅せる”収納にした土間

空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」
土間は趣味道具の収納。多趣味なお二人には不可欠なスペースです。
 
土間のこだわりを教えてください。
 
「僕たちの趣味がアウトドアで、道具は大きくて外で使う物。前の家ではベランダに棚を作って収納していたんですが、そこまで行くのに家の中を通って運ぶのが面倒でした。帰ってきてすぐに置ける場所が欲しかったので、土間を趣味道具の収納にしたんです。収納というと隠すイメージがあるけど、ここはあえて“魅せる”かっこいい空間にしたいと思い、オープン収納にしました」
 
土間の床はモルタルですか?
 
「モルタル風タイルです。本当はモルタルにしたかったけど、キャンプ道具って重いからドカって置くと割れちゃうかなと。それに、モルタルってヒビが入るじゃないですか。それが経年変化の味わいでもあると思うんですけど、この広さだと、よくあるカフェの床みたいなかっこいいヒビじゃなくて、単純に欠けたって感じになると聞いて。それならモルタルっぽいタイルにしようと。でも、なるべくタイル感がないものが良くて、面が大きいものにしました」


これからリノベーションをする方へメッセージ

vol.68【リノベ|インタビュー】空間デザイナーの施主と建築家が造り上げた至極のリノベ「1LDK+趣味の収納土間」

最後に、家づくりのアドバイスをお二人からいただきました。ポイントは次の4つです。
 
1、希望のイメージは躊躇せずに画像を送って
 
「家づくりを始めるとき、自分のやりたいことを明確にするのが何よりも大事だと思います。イメージがふわっとしていたり、言葉だけではデザイナーさんに伝えきれないこともあるので、とにかくいいと思う画像を見せるのに尽きるかなと。僕たちも何百枚と送りました(笑)デザイナーさんとの共有が肝だと思うので、そこは遠慮しないで伝えたほうがいいですね。あと、ライフステージが変わっていく方は将来を踏まえつつ、現在の生活が豊かになる設計をすることが重要だと思います」
 
2、収納は見せる・隠すのバランスが大事
 
「収納はしっかりとることをオススメします。子どもが生まれたり、物が増えたりする可能性を考えると、引っ越し当初は使いきれないくらいあっても問題ないかと。かといって、全部を隠すクローズタイプにすると圧迫感が出てしまうので、一部オープン収納にすれば抜け感を出しつつ、空間に広がりを持たせられると思います。その辺りはデザイナーさんとバランスを見ながら決めてもらえれば。どこに何を置くかをシミュレーションして、収納する物や使う収納アイテムのサイズを計算するのも大事。そうすれば失敗しないと思います」
 
3、ドア・廊下のサイズに注意!

「ドアや廊下のサイズもすごい大事。これは盲点だと思うのですが、置きたい家具や家電のサイズに合わせてドアや廊下のサイズを考えないと、搬入できない可能性もあるので、ここは本当にサイズを確認してから決めたほうがいいです。居室の広さを優先して廊下を狭める方も多いと思うんですけど、そうするとドアも必然と小さくなります。家具・家電のサイズを考慮するのは本当に大事ですね」
 
4、家具・家電の費用も事前に確認を!
 
「意外に費用がかかるのが家具・家電。賃貸はエアコンや照明が備え付きだけど、リノベーションとなると自分たちで全部用意するので、結構かかります。そこも見越した上で、予算決めをしないと後から大変なことになると思うので、予算決めは最初から家具・家電も含めて考えたほうがいいです」
 
 
どのポイントにも共通して言えるのが、事前の準備・計画の重要性です。決められることは早い段階で考えることが、スムーズな家づくりにつながります。

細部までこだわりぬいたリノベーション事例、ぜひ参考にしてみてくださいね♪





 
WORKS MORE